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2006年 12月 07日
いよいよ年の瀬となってしまった。前回の投稿よりはや5ヶ月。
自分自身の体調もさることながら、各種団体の仕事などに加え お祝い事に不幸と、何かと忙しい期間が続いての投稿再開である。 年末にかけて更に忙しい時期を迎えるので、体を壊さぬよう祈る ばかりである。 さて、皆さんは紛争ダイヤモンドという言葉を聞かれたことがある だろうか?名前も禍々しいこの紛争ダイヤモンド、実は近々公開 予定の映画『The Blood Diamond』(レオナルド・ディカプリオ主演) の題材でもある。映画の予備知識にもなるこの紛争ダイヤモンド について、ちょっと触れてみよう。 今年の夏。サイトホルダーからの書類が届くようになった。DTCに 対する誓約といったような文面のその書類は、紛争ダイヤモンドに ついてのものだった。何を今更…と思っていたのだが、この映画の 話を聞くに及んで、なるほど、だから神経を尖らせていたのかと 納得した次第である。 『紛争ダイヤモンド』。英語でコンフリクト・ダイヤモンドと呼ばれる このダイヤモンドは、鉱物的には通常のダイヤモンドと全く変わり 無い。品質もありとあらゆる品質のものが含まれる可能性がある。 では紛争ダイヤモンドとは一体なんであろうか?広義的には『国連 などで世界的に認められた行政組織(自治組織や独立国家など) と係争状態にある組織やテロリストグループなどが、自己資金の 獲得の為に売買しているダイヤモンドの総称』であろうし、狭義的 には『アフリカ(特にシエラ・レオネやアンゴラなど)における反政府 組織が活動資金を得る為に売買しているダイヤモンドの総称』と 言えるだろう。 かのアルカイダも、活動資金の獲得の為にダイヤモンドの売買に 手を染めていたとの記事をワシントンポスト紙にて読んだ覚えが ある。かつてのソ連、現在のロシアにとってみてもプラチナとダイヤ モンドは外貨獲得のための主要貿易戦略物資である。テロ組織や テロ国家でなくとも、マフィアやヤクザ、スリ・窃盗団がらみの宝石 商というものは常に存在するし、ダークマネーの資金洗浄(マネー ロンダリング)の一つとしてもポピュラーだ。 これは、ダイヤモンドの大きさに対して価値が非常に高く、しかも 耐久性も高いというその特性ゆえのことだ。手軽にポケットに忍ば せることもできるし、もちろんかさばることもない。ダイヤモンド同士 でしか傷つかないと言われるほどに硬く、酸などでもダメージを 受けない。しかも高価。例えば全財産を持ち歩くことは不可能に 近いが、ダイヤモンドに替えてしまえばそれも容易だ。であるが ゆえに、安心して資産管理を任せる人間が居らず、常に警察や 公安などから身を隠しつつ世界中を飛び回るような人には、これ 以上うってつけのものはない。 しかもダイヤモンドには美しさがある。その美しさは人々を魅了 するのはもちろん、その目を曇らせてしまう。それはどういうこと かというと、ダイヤモンドを扱う宝石商を社会的にも立派な信頼 できる人物と捉えがちだ。宝石店のオーナーというだけで、私の ような親父であっても、実態とはおよそかけ離れたイメージで 捉えられたり、団体でも地位のある立場に推されたりしてしまう。 犯罪者にとって、これほどうってつけの隠れ蓑はあるまい。 さて、このような定義の紛争ダイヤモンドが果たして日本に入って 来ているのだろうか?はっきり申し上げると、普通の、まっとうな 商売をしている宝石店にはまず並ぶことはありえない。紛争ダイヤ モンドが国連などで大きな注目を集めた1990年代以降、世界各国 のダイヤモンド業界や国家、国連までもが一体となり、ダイヤモンド の原石を管理するキンバリー・プロセスと、研磨石やダイヤモンド ジュエリーも含めて管理するシステム・オブ・ワランティという2つの 仕組みを導入し、紛争ダイヤモンドを締め出している。 再度注意しておきたいが、『血塗られたダイヤモンド』にて設定され ているのは1990年代という時期だ。現在とでは全く市場の流通 システム自体が異なっており、映画を鑑賞する際も、ああ、過去 にはそういう時代があったんだ…と思いを馳せていただければと 思う。 そしてその一方、かつて欧米諸国がアフリカの地で何をやり現在 もどのようなことをやっているのかも知っておく必要があると思う。 かつて東インド会社やセシル・ローズが行ってきた植民地政策は、 アフリカの歴史に暗黒の時代をもたらし、その後の独立の時代も 傀儡政権を立て、自主的な独立ではなく、あくまでも自分たちの 利益のための代弁者という形で操作している。テロという手段は 決して許されるものではないが、真の意味で独立を目指して活動 しているテロ活動をしていないテロ認定組織というものもあるのだ。 決して欧米諸国の発表だけを鵜呑みにしてはならない。 今ダイヤモンド業界(特にDTC)では、ダイヤモンド産業がアフリカ の地域発展に多大な貢献をしているという実績をアピールしている。 確かに、現在のアフリカ南部諸国の経済の中でダイヤモンド産業 が占める割合というのは非常に大きい。特にボツワナでは、年間 輸出総額の75%、GDPでは3分の1を占めるほどだ。そういう意味に おいて、ダイヤモンドはアフリカの輝ける希望の象徴でもある。 だが、過去の歴史の清算としては到底不十分だ。ダイヤモンドの 輝きが、本当の意味でアフリカの人々の希望の星になれば…。 私はそう願っている。 感想はこちら。mailto:danzi@excite.co.jp
by danzi
| 2006-12-07 01:09
| 宝石
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